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コラム

No.6 コイルの汚れが盲点です

役に立つ「社長の現場レポート」

東日本大震災により発生した福島第一原発の事故から3年目の夏を迎える。
巷では、すでに5月からクールビズを始めた事業所もある。今年もまた、あちこちで節電のために室内温度を原則28℃に設定しようというキャンペーンも始まることだろう。

昭和48年のオイルショックから30数年経過した今日、一般家庭の消費電力は約4倍になっているといわれている。しかしながら電気がなければ、現代社会では生活できないばかりか、生死を左右する事態に陥る場合もある。電気料金が高騰したため、部屋のクーラーを止めて節電し、熱中症で倒れるお年寄りも枚挙に暇がない。
工場などの事業所では省エネ・節電対策に力を入れているが、一般の業務ビルではその対策は後手に廻っているのが現状である。

労働安全衛生法事業所衛生基準規則第5条3項では事業所の室温を17℃以上28℃以下にするよう努めなければならない、と定めている。この法が定められた経緯や基準がどのようにして決められたかは定かではないが、いわゆる学識経験者の総意に基づくことは確かだろう。
今夏も各事業所では各所で室温は28℃で行うことが、叫ばれている。果たしてこの数値、基準値が全てだろうか?

日本の空調制御技術は、室温28℃といういわば密閉空間において、十分機能しているのか?
冷水の潜熱を効率よくポンプで循環させ、ファンコイルユニットやエアーハンドリングユニットなどの空調機器で放熱させる大型の空調システムの施設があったとしよう。7℃の冷水を空調機に送り5℃熱交換したとしたとすると還ってくる冷水は12℃になる。再び冷凍機で7℃の冷水を作り、空調機まで送り、熱交換する。これが水配管を使った簡単な空調方式である。しかしながら冷温水配管やコイルに汚れがあった場合、7℃の冷水を空調機に送っても、十分熱交換ができない。
例として2℃しか熱交換できない場合、還ってくる冷水は9℃の冷水になる。再び冷凍機で7℃の冷水を作り空調機に送っても2℃しか熱交換できなければ、5℃熱交換できた空調機と比べて冷房が利くのに2.5倍の時間が掛かる。そのため、2.5倍分の動力ロスが生じ、その分電力料金が増加する。

電気料金は水道料金と同様、使用すればするほど高くなる累進方式を採用している。電気使用量も少なければ少ないほど、省エネ・節電になる。
省エネ効果を高めるには、空調機のフィルターの掃除も必要だが、コイルの汚れを除去し、伝熱係数を高める必要もある。新築時のフラッシング不良や冷温水管の防錆管理などのメンテナンス不備はコイルの汚れを促進する。
コイルは10年を超えると予想以上に汚れているのだが、この事実は見逃されている。コイルの汚れは冷水の場合、3~8%の熱ロスを招き、その分エネルギーを多く消費する。
水配管を空調システムに取り入れている施設で20℃に設定し、やっと28℃に保たれている場合ではほとんどがコイルの汚れが原因である。熱交換効率がよければ、実は30℃の設定で、気流(サーキュレーターや扇風機)を利用すれば暑さは感じない。冷房の基準値を守る為、省エネを実践しているつもりが、実は余計なエネルギーを使用していることが想定される。

FCUのコイルや配管を洗浄すればFCUを交換するコスト(本体・配管の盛替・ボードの撤去交換など諸費用)と比べて1/4~1/5のコストで冷房効率がアップする。台数が多ければ多いほど1台当りのコストは安くできる。この洗浄工法は当社のオリジナル技術である。

フィルターの掃除は定期的に行っているにもかかわらず冷房の利きが良くない施設がございましたら
ご相談ください。弊社の洗浄工法をご活用いただき、暑い夏を乗り切っていただきたいと思います。