No.2 ファンコイルユニット(FCU)ドレン管の洗浄について
地球温暖化の影響でビルの冷房開始時期は年々早まっているようだ。
この時期ビルオーナーを悩ますのが、天井からの水漏れ。
空調用ファンコイルユニット(FCU)が天井内に設置されている場合、ドレンパンやドレン管が詰まると天井から漏水が発生し、業務に支障をきたす。特に、その下部にパソコン・サーバー等があると、被害は甚大である。
ドレン水は凝縮水であるから水もきれいなので、排水管などと比べて、「詰まる」という意識が薄い。
つい疎かになりやすい。実際、築8~10年以上経過した施設は要注意である。天吊型のFCUドレン管はメンテナンス上の弱点の一つであり、高い洗浄技術が要求される。
(ドレン管の特徴)
- 管径はドレン口で20A、合流末端で50A程度である。しかも1系統で何台ものドレン管 が接続されていることが多い。
- 横引部分が長いと、勾配を取るのが難しく、残水が滞留しやすい。
- ドレン管には消防法の規制により鉄管を使用していることが多く、管内にササクレ状の鉄錆が発生してくる。また、ドレンパンに溜まったほこりが時としてドレン管に流れ込んだりする。このような詰まり気味の状態では、ドレン水量が多くなると、飲み込むことができず溢れてしまい、天井からの漏水が発生する。
- ドレン水が系内に滞留し、室温が比較的高くなっていると、微生物によるスライムが発生しやすくなり、このスライム(バイオフィルム)が増殖すると管の閉塞に繋がる。
- ドレンパンピットに小型排水ポンプを内臓している場合、管の閉塞が進むと、他のドレンパンに逆流し、漏水が発生する。
- ドレン管の末端は、湧水ピットに排水することが多い。また、末端はトラップを設置
(ほとんどの場合、配管トラップ)しているが、この箇所は鉄管を使用しているため水が溜まる部分は錆びて、管路を閉塞することが多い。 - ドレン管は冷房期にのみ使用する設備であり、重要度が低いと見られる傾向があり イニシャルコストも安価に抑えようとする。このため、正確な図面が無かったり、系統が 不明だったりすることが多い。当初からメンテナンスについて考えられていないので 洗浄できるような構造になっていない。洗浄方法によっては、掃除口を新たに作成する必要も生じてしまう。
(対策及び洗浄方法)
洗浄作業は休日や夜間に実施することが多く、また漏水リスクを避けるために、十分な養生が必要である。また、必要な点検口が十分確保されていない、点検口が荷物等で開けられない等のケースもあるので事前の対策が必要である。
<洗浄方法>
- 小型のバキューム掃除機を使用
- 小型のトーラーを使用
- 薬品洗浄
- アジェット工法による洗浄
- 高圧洗浄
- サイクロン工法による洗浄
- 中型バキューム機を使用
以上、洗浄方法は様々であるが、それぞれ一長一短ある。各方法とも洗浄に当たっては現場の状況に応じて、それぞれの特長を生かした最適な洗浄方法、あるいは洗浄方法の組み合わせが必要になる。
当社では、それぞれの状況に応じた最適な洗浄工事をご提供しております。
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